2019年5月1日の新天皇の即位にあたり、元号が「令和」に改められる事が決まりました。
出典は、初めて万葉集から引用されました。
和歌の中には「梅」と「蘭」が出てきますが、歌人が見た風景が気になります。
今回調査するのは
「令和の元歌の蘭とは?」
「太宰府坂本八幡宮で歌人が見た風景とは?」
以上の2点です。
それではご一緒に1つずつみてみましょう。
「令和の元歌の蘭とは?」
出典元:http://www.marcheaozora.com
フジバカマ、カワイイですね。
令和の元歌とはこちらです。
読まれたのは730年(天平てんぴょう)です。
「初春の令月(れいげつ)にして、氣淑(きよ)く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後(はいご)の香を薫す。」
です。
意味は、
初春の美しい季節がやってきました。澄んだ空気は心地よく、風はやわらかです。梅はおしろいのように白く咲き誇り、藤袴の若葉が伸びて、緑が薫るようです。
素敵ですね。
訳文の中にもあるように、「蘭」とは「藤袴(ふじばかま)」の事です。
私達がイメージしている、胡蝶蘭(こちょうらん)などが、日本に入ってくるのはずっと後の事です。
何しろ万葉集が編さんされたのが今から1300年程前ですので、色々呼び名も変わっていったのですね。
藤袴は、秋の七草(ハギ、ススキ、クズ、ナデシコ、オミナエシ、キキョウ、フジバカマ)の1つで、日本では古来から親しまれてきました。
珮後(はいご)は、鏡前(きょうぜん)の対になっています。
珮(はい)とは、玉(水晶やめのうなどのパワーストーン)や金属で作られた飾りです。
出典元:http://baby168.com.tw/
コチラは玉珮です。
こちらは購入可。
中国でもすでに貴重な石で出来た珮です。
今でいうとサンキャッチャーみたいな感じなのでしょうか。
サンキャッチャー、大スキ。
太陽光を集めてお部屋中がキラキラしますよ。
フジバカマは、乾燥させると良い香りになる香草ですので、この珮にフジバカマも付けていました。
素敵ですね。
江戸時代にも「薬玉(くすだま)」の中にも香草が入れてあり、お城の軒先に吊るしてありました。
和装のブーケに薬玉風が今大人気。
ソラもフラワーデザイナー時代はたくさん製作しました。
西洋だとポプリのポマンダーに近いのかな。
出典元:https://minne.com
エッグポマンダー。オシャレ。
天然の香りは防虫にもなるし、芳香にもなるし、見た目は綺麗だし、この日本文化は是非復活して欲しいです。
「太宰府坂本八幡宮で歌人が見た風景とは?」
出典元:http://tigerdream-no.blog.jp
1300年ぶりのにぎわいをみせている福岡県太宰府市の坂本八幡宮。
ご祭神は応仁天皇です
太宰府の坂本八幡宮に、大伴旅人(おおとものたびと)亭があったといわれています。
そこで歌会が催され、その当時の知識人には常識だった、中国の書物「蘭亭序」の漢詩を基に、この歌が詠まれました。
太宰府の梅園は今もそれはそれは見事です。
1300年前も見事だったのでしょう。
咲き誇る梅を見ながらの梅がメインの宴だったのは間違いありませんが、青々と伸びたフジバカマの葉とのコントラストは、素晴らしかったに違いありません。
若々しく、爽やかで、新鮮なフジバカマと、白くて可憐な梅の花。
全てが、新しいこれからを祝福しているように感じますね。
今も昔も花を愛でる文化を大切にしていたのだなと思うと、1300年の時を超えて、とても感慨深いですね。
まとめ
「令和の元歌の蘭とは、秋の七草の藤袴(フジバカマ)。」
「太宰府坂本八幡宮で歌人が見た風景とは、梅の花が咲き誇って、藤袴の葉の緑がふんわりとした風になびいてなんともいえないいい光景。」
急に脚光を浴びた坂本八幡宮。
神さまはさぞおよろこびでしょう。
万葉の心をまた日本人が取り戻すと素敵ですね。
最後までお付き合いいただきありがとうございます。
万葉集、大人気。
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